森のむこうにすむ病気のおばあちゃんに…魔法のスープを、一滴もこぼさず届けるおつかい!
知らない誰かに会うこと、大きな音、およぐこと、ばいきん、それにかみなり……
小さなリスのエバーグリーンにとって、外の世界はこわいものがいっぱい!
なのにおかあさんときたら、いつも、こわくてやりたくないことばかり頼んでくるのです。
今日も、病気のおばあちゃんにスープをとどけるおつかいを任されました。
おばあちゃんのおうちは、大きくてこわいトゲトゲ森の向こうがわ。
「できない」というエバーグリーンですが、おかあさんは「あなたならきっとできる」と言って送り出します。
ぶきみな音におびえたり、スープを狙われたり。森の中はハラハラドキドキの連続!
でもそのたびに勇気を出し、自分だけでなく周りの困っている動物も助けながら、
エバーグリーンは進んでいきます。
***
「ばいきんがこわい」主人公。王道の冒険物語は、コロナ禍を経た子どもたちの成長と重なります。
気がつけば家の中のほうが安心で、心地よく感じるようになってしまったあの頃。
でももちろん、外に出てなにかをやってみなくては、というあせりもあり、
複雑な思いを、誰しもが抱えていました。
こわがりのエバーグリーンの場合、背中を押ししたのは「病気のおばあちゃんのため」というお母さんの頼み。
「できない。でもやってみなくちゃ」
人助けのために心理的な安全地帯から思い切って一歩ふみだし、
苦手を克服して自信をつけていく幼い主人公のすがたは、
エバーグリーン(いつも青々とした葉をひろげ、命の力強さを感じさせる常緑樹)という名前にふさわしく、
きらきら輝いて見えます。
◆コールデコット賞作家が描くクラシカルなイラストと、
にやりとわらってしまうユーモラスなキャラクターたち。
ちょっとマンガのようなページ構成も楽しく、
絵本から物語への橋渡し、低学年の1人読みにぴったりな一冊です。
◆カバーを外すと地図が!
◆本のあちこちに小さなリスの姿が隠れているので、探してみてくださいね。



